スキャンダルなアイツ-プレイボーイに気に入られたのは毒舌地味子-



家の塀に手をついて

深呼吸をして落ち着こうとすると、


「香乃子ちゃんっ!?」


心配そうに私を抱える稜佑。


だけど、

ごめん、

それ一番逆効果。



「……無理、ごめん、離れて」


そういう私に

むっとした声で


「だからなんで俺避けられてんだよ」


塀と自分の体とで私を囲む。


ああ、無理、怖い。

やめて、近づかないで。


くらくらする頭で考えて

必死に言葉をつむぐ。


「ごめん、


もう無理。


こういうの、

本当に


…………気持ち悪い」




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