スキャンダルなアイツ-プレイボーイに気に入られたのは毒舌地味子-
――「稜佑ー、客ー!」
教室に響いた声に
つい反応してしまう。
ドアのところには
外見派手めの女子生徒が数人立っている。
「はーい」
とにっこり笑いながら、
その女子のうちの1人の肩を抱いて
稜佑は教室を出て行った。
もう、こんな日が数日続いている。
「……なんか、春先の桃井くんに戻ったって感じだよね!」
心配そうに美奈は稜佑の消えたほうを見つめていた。
あの日の稜佑の言葉で
美奈には手を出してないってわかった。
不純だ、なんて思って避け気味になって
美奈には悪いことをしちゃったな。
でも、美奈が稜佑のことを気にする回数は
確実に増えてきて、
手を出した出していないの問題とは別に
美奈に対してもやもやしてしまう。
「一時落ち着いたのにねー、軽い感じ」
茜の言葉に美奈が少し落ち込んで頷く。
「何で復活しちゃったんだろうね、桃井くん。
女の子とっかえひっかえするの」