スキャンダルなアイツ-プレイボーイに気に入られたのは毒舌地味子-



「山田さんはきっとよくわからないと思うんだけど、

俺からすると、

稜佑にとって山田さんが特別だっていうのは

一目瞭然、なんだ。


俺もあいつの全部を知っているわけじゃないけど、

でもすぐわかったよ。


詳しくは聞いてないけど、

2人の間には語弊があるんだと思う。

山田さんが稜佑に言った言葉の意味と

稜祐の受け取った意味。


多分あいつ、

拒否されたって感じて

どうしていいかわからないんだ。


人を追ったことなんて、

ないから、きっと」



稜佑にとって私が特別、

前にみんなにも言われたことだ。


特別ってなんなのか、

好意なのか興味なのか。


どう受け取っていいかわからないし、

察することもできない。


そして私の言葉が誤って伝わってる可能性。


どこでどう、そう伝わってしまったのか

見当がつかない。


「稜佑にやっと特別な存在ができるんだって、

俺嬉しいからさ。

山田さんがあいつの事嫌ってないんなら、

もっとちゃんと向き合ってやってほしいんだ」


真剣な表情に圧倒される。


「う、うん……」

思わず頷いてしまったけど、

私って稜佑のこと嫌ってなかったけ?


このもやもやって、

嫌いだからわく感情じゃないの?


昼休み終了数分前で教室に向けて道を戻る。


伊東くんに言われたことが

頭の中をめぐる。


ああ、なんかパンクしそう。


そんなことを思っていると、



「…………伊東くんと香乃子?」


手に飲み物を抱え、

呆然と私たちの方を見る茜。



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