スキャンダルなアイツ-プレイボーイに気に入られたのは毒舌地味子-
なんて、反応をするかな。
言い終わって稜祐を見る。
下を向いて髪が顔に被さってる。
稜佑の表情は確認出来ない。
「……稜佑?」
心配で顔を覗こうとすると――
「香乃子、ちゃんっ!――」
「えっ!?」
急に大きい身体が覆い被ってきて、
慌ててバランスを取る。
耳に稜佑の髪が触れてくすぐったい。
……だけどそんなことを流暢に考える暇は無くて。
「ちょっと!!稜佑!?」
抱きしめられていて稜佑の胸しか目に映らないけど、
ここは廊下の真ん中、
教室のまん前。
恥ずかしすぎる!!
急いで離れるようトントンと肩を叩いてみるけど
ビクともしない。
それよりも背中にまわされた腕がさらにキツくなる。
変わらない状況に段々冴えてきた耳からは
「桃井が――!」
なんて、またコイツが話題に。
「中の子、誰?」
……私も注目されてしまってるって!!