スキャンダルなアイツ-プレイボーイに気に入られたのは毒舌地味子-



なんて、反応をするかな。


言い終わって稜祐を見る。


下を向いて髪が顔に被さってる。

稜佑の表情は確認出来ない。


「……稜佑?」


心配で顔を覗こうとすると――


「香乃子、ちゃんっ!――」


「えっ!?」


急に大きい身体が覆い被ってきて、

慌ててバランスを取る。


耳に稜佑の髪が触れてくすぐったい。


……だけどそんなことを流暢に考える暇は無くて。


「ちょっと!!稜佑!?」


抱きしめられていて稜佑の胸しか目に映らないけど、

ここは廊下の真ん中、

教室のまん前。


恥ずかしすぎる!!

急いで離れるようトントンと肩を叩いてみるけど

ビクともしない。


それよりも背中にまわされた腕がさらにキツくなる。


変わらない状況に段々冴えてきた耳からは

「桃井が――!」

なんて、またコイツが話題に。


「中の子、誰?」

……私も注目されてしまってるって!!




< 324 / 334 >

この作品をシェア

pagetop