スキャンダルなアイツ-プレイボーイに気に入られたのは毒舌地味子-
茜ちゃんと伊東くんが
ほのぼのオーラで仲良くしているのを
私はキュンとして見ていると、
「あれ、もうひとりは?」
と気づいた美奈ちゃんが教室の後ろを見た。
「あー、もう、水野だわ!
俺ちょっと連れてくる!」
どうやら、
さっき無理やり班員にさせられてた彼は
ここに集まる気すら持ってなかったみたいだ。
向こうでは桃井稜佑がわーわーと彼に話しかけ、
それに対して、始終うんざりした表情で
ぼそぼそとアイツに答えてた彼も、
アイツがしつこいとわかると
渋々こっちに合流してくれるようだった。
「な、なんか大変そうな班ね」
私の隣に座る紗依ちゃんに話しかけると
彼女は小さな声で
「そうだね」
と頷いた。
その表情はどこか浮かなく、
私は心配で彼女に尋ねた。
「……紗依ちゃん、どうかした?」
すると彼女は
眉を下げ困ったような笑顔で
「実はね、私、
桃井くん結構苦手なの……」
とこっそり私に耳打ちをした。