スキャンダルなアイツ-プレイボーイに気に入られたのは毒舌地味子-
「わかるよ!!」
彼女の言葉に大いに同意し、
咄嗟に立ち上がった私は
運が悪いのか何なのか、
水野くんを連れてきていた
桃井稜佑にトンっと体をぶつけてしまった。
「おわっ、危ねっ」
と、支えるように、
私の両肩に自らの手を置いた奴は
にっこりと気持ち悪く笑って
「山田さん、どうしたー?」
と私を見下ろした。
「な、なんでもない!……です」
横目でも彼の表情は薄っぺらいのがわかって
不快な思いのまま席に着く。
「だ、大丈夫だった?」
と慌てて私の心配をしてくれる紗依ちゃんに
「平気だよ」
と笑った私は
内心、
久しぶりに話したなあ……。
なんてふと考えてしまい、
慌てて首を横に振ると
さらに紗依ちゃんを心配させてしまった。