「葡萄(ぶどう)を見つめるきつね」
「葡萄を見つめるきつね。」
冬のある日。
きつねが歩いている。大草原。そこから森へ入ろうとしている。
森の中には木の実が沢山ある。腹ごしらえをしようと考えたのだった。
きつねは散策した。そして、食べきれないほどの木の実を見つけた。
どれもこれも美味しい。
そして、満腹になったところで一休みをした。
余った木の実は置いておくことにした。
夢を見た。
とても美味しい、食べたことの無い味のする木の実だった。
それが何個も何個もある。夢中で食べている。
満腹になっているはずなのに、それでも食べていた。
もっと、もっともっと食べたくなるような、そんな味だった。
目が覚めて。
傍らにある食べ飽きた木の実を見つめる。
きつねは木の実を持って歩き始めた。
どこかに、もしかしたらどこかに夢で見た木の実があるかもしれない。そう思って歩き始めた。