微熱-関谷side-
「…こんな朝っぱらからなんだ?」
「ん?今日、僕休みなんだよね。知ってた?」
「…俺に関係ねーだろ」
「会いたかったんだよ、本当、そんな怖い顔やめてくれる?」
多空は眉を寄せながら首を傾げる。いつもの王子様オーラは全くない。こいつはただの変態だ。
「っていうか、司、もしかして風邪?いや、もしかしなくても風邪だね」
俺の様子を見て、ズカズカと遠慮なしに部屋に上がりこんだ多空は俺がさっきまで座っていたソファに腰を落とすと、まるで心配していない声を投げかけた。