愛されたくて
ケンちゃんの声がする・・。
ケンちゃん・・・。
ケンちゃん!
ボクはげんかんに行った。
ケンちゃんはそこにいた。
「プッチ!ボール遊びしよう!」
「ワン!」
ケンちゃんはボクの声を聞くと、
歯を出して笑って、
消えてしまった。
するとドアが開いて、
ママがいて、
「あら、プッチただいま。」
にっこり笑って、うでにもっているものをボクに見せた。
「プッチ、ママね。赤ちゃんを産んだのよ。」
布のなかに小さな小さなヒト。
とってもちっちゃくて、
お手手はボクのにくきゅうくらいしかないなぁ。
「この子の名前はケンタロウ。ケンちゃんよ。」
(ケンちゃん?小さいケンちゃん、こんにちは。ボクはプッチ、よろしくね。)
「ワン!」
小さいケンちゃんは、その小さな顔で笑ったよ。
まるで、「ケンちゃん」みたい。
小さいケンちゃん。
ボクがおにいちゃんだよ。
早く大きくなってね、
そしたら、ボクがたくさん、たくさんボール遊びしてあげるからね。
おわり