ズルい-蓮井side-
***

重い生理痛で、その日は学校を早退して、あたしは家に駆け込んだ。


ガレージに司さんの車があって、ドキリとする。

あれから───あの日、パパとママが旅行に行った時から二人きりになった事はない。
二人とも今日は仕事だし、だから、あの日以来だ、って考えながらあたしは白い洋風のドアをガチャリと開けた。



ドキドキしていた自分に後悔したのはすぐ。




目に入ってきたのは、スラリとした女の人の背中。


首に回したしなやかな腕。


長い緩やかな曲線を描く髪。





濃厚過ぎるキスシーン。



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