。・°°♡♥双子の王子様と天然なお姫様♥♡°°・。
「聖、絶対きくなよっ」
聖は状況がよくわからないといった表情を俺に向ける。
「斎斗くんだったかしら?」
「聖斗ってやつの耳から手、はなせよ」
「そんなことしなじゅてもいいわよ」
「沙耶?」
双子のひとりがこくばんに向かって歩き出す。
「おいっ! やめろよっ!!」
そんな言葉は無視して歩いていく。
俺はそのとき聖の耳から手を離してしまった。
「井ノ口斎斗と、井ノ口聖斗は一見普通の男子生徒にみえるが、そんなのはまやかし。表情を作ったりするのが得意なだけ。この二人は精神科にかようほどの心の病気の持ち主。聖斗に限っては完全に普段の姿から変貌するわよ。斎斗のほうは特にそういうのはないみたい。見せないだけかもしれないけどね…クスクス」
なにもいえなかった、やばい…
聖が全部聞いっちまっただろ?
「おいっ! お前なにいってんだよっ!」
クラスメイトの視線が痛いほどに突き刺さった。