アイシテル
そんなバカな…と、僕は思った。

聖が僕に言った今のセリフが信じられない。

――春海が、好きなの…

それは、聖も僕と同じ気持ちであったことである。

僕が聖を好きなように、聖も僕のことが好きだった。

「――春海がいなきゃ、生きられない…」

まるで泣いているかのように、聖が言った。

「――春海じゃなきゃ、いらない…」

ずっと、隠していた聖への思い。

夢にまで現れた、聖への思い。

何ものでもなかった、聖への思い。

それが今、こんな形で叶うことになるなんて…。

「――春海は私の世界なの…」

プツンと、僕の中で何かが切れる音がした。
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