アイシテル
21歳になっても、子供の頃からの笑顔は相変わらずだ。

「おー、うまくできたじゃないか」

そう言った僕に、
「春ちゃんが教えてくれたからね」

聖が笑いながら言った。

そう、ジャムの作り方を教えたのは僕だ。

それだけじゃなく、僕は家事や礼儀作法をみんな聖に教えた。

“理想”の女性に育つように。

僕の好みの女性になるように。

教えることは、何もかも全て教えた。

聖は決して嫌そうな顔を見せることなく、僕から全てを習った。

そのおかげで、聖は僕の“理想”を埋めつくした美しい女性に成長した。
< 67 / 178 >

この作品をシェア

pagetop