アイシテル
ないのはいいことなのだが、やっぱり気になる。

聖の身が心配で、仕事どころじゃない。

「今日は何か、やけに落ち着きがないですね」

その声に驚いて振り返ると、
「東雲」

主任の東雲恭吾(シノノメキョウゴ)だった。

今日も飄々としたその雰囲気をまとっている。

一体どこからそんな雰囲気が出てくるのだろう?

正直、彼が不思議で仕方がない。

「携帯電話の確認して、誰からの連絡をお待ちなんですか?」

彼の眼鏡の奥の瞳は、僕はあまり得意な方ではなかったりする。
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