「春夏秋冬」
春夏秋冬。
勇気を出して恋愛します。
進路に迷いながら歩く二人。彼らには幸せがあるのでしょうか。
季節を歩いて、どこまでいくのでしょうか。
平凡な、彼。非凡な、彼女。
彼は、夢を持っていたのだった。
小さな夢。
成し遂げるのも、ちょっと勇気を出せばできること。
でも、それができなかった。だから、今の今まで悩んでいたのだった。
彼はまだ中学生だった。
これからどんな事もありえる、そんな時期だった。自分しだいで未来は変えられる。そう信じていたのだった。
それが、そう思うのと同時に、自分ではできないかもしれない、と。そんな事も考えていたのだった。
やっても、できないかもしれない。やらなかったら、もちろんできない。自分は、一体何がしたいのか。分からないままで中学校時代を過ごしていたのだった。
他の皆は、どうしているのだろう。そんなことを考える。
笑って話しているあいつにさえ、未来という展望があるのだろうか。開けている未来が、あるのだろうか。
時折暗く落ち込んでしまう事がある。
自分には、才能がないから。自分には、勇気がないから。だから、なにもできない。
そんなこと。しかし、彼は本気で。全てを投げ出したかった。
古い荷物は迷わず捨ててしまって、より新しいものを求めて。そうやって生きていけたならどんなに素晴らしい事だろうか。でも、それができないから困っているのだ。
あとちょっとだけ、勇気が欲しかった。