ボクと天使と青春中
「ハイ。もしもし?」

『あっ、鈴?俺、夏だけどさ』

電話の相手は、夏だった。

「夏?どうしたの?」

『あ~、一つ言い忘れたことがあってさ~。プールって学校のだから☆』

えっ・・・。

「え~~~~~~!?」

学校のプール?!

『んじゃあま、そういうことで』

そういうこって、どういう事?!

「ちょっ!夏まっ・・・」

『ツーツーツー』

切れた・・・。ていうか、それって大丈夫なの?!

「どうかした?」

爽太が不思議そうにたずねてきた。

「爽太、学校のプールってこと知ってた?」

「ああ。知ってたけど?」

当然というよな顔で言う爽太。

「ちゃんと、許可とってあるの?!」

「さあ?」

どうしてそんなに、のんきなの?!

「それって、大丈夫なの?!」

「なんとか、なるんじゃね?」

なんとかって・・・・。

「ホラ行くぞ!」

気付いたら爽太は、もう教室の入り口の所に立っていた。

「ちょっと、待ってよ~!」

なんやかんや、やってたら自分の家に着いてしまった。

「そこに座って待ってて。今、飲み物持ってくるから。コーラでいいよね?」

「ああ」

爽太は、落ち着かないのか辺りをキョロキョロ見回してる。

うっそ~。爽太がウチのソファーに座ってるよ~嘘みたい///

いつもなら、逃げ出したいと思う家に初めてずっと居たいと思った。
まるで、暗闇に光が差し込んだようだった。

「ハイ。」

「お~。サンキュッ」

爽太は、アタシからコップを受け取ると一口コーラを飲んでテーブルに置いた。

「お母さん居ないの?」

「えっ?」

アタシはチラッと爽太のほうを見た。

「出かけてるみたい;」

言えない。母さんがパニック障害起こして入院してるなんて絶対に言えない・・・。
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