ボクと天使と青春中
「へえ~」

上手く隠せたよね?

「あの写真の人お母さん?」

「ん?そうだよ」

爽太が指差してる写真は、薔薇の花壇でアタシとお母さんが写っている写真だった。

「へえ~。鈴ちっさいな、アレいくつの時の?」

ちっさいって・・・。

「五歳ぐらいの時のだと思うよ?」

「鈴は、お母さん似?」

「う~ん?皆にはよくお父さん似って言われるけど・・・どうだろう?」

あんま、母さん似って言われたことはないな・・・そういえば。

「女の子は父親に似るっていうもんな。」

爽太は、納得したように言う。

「じゃあ、爽太はお母さんに似てるの?」

「さあ?」

さあって・・・この人は;

「お母さん綺麗な人だな」

爽太は柔らかな笑顔だ言う。

「うん。アタシの自慢のお母さんだもん!綺麗で料理が得意で~ちょっと、オッチョコチョイだけど優しくてすっごく強い人だった。」

だから、あんな事になるなんて思ってもいなかった。

「お花が好きでね?植えすぎで一時期大変な時もあったんだよ?夏は二人でカキ氷を食べて、また来年も二人で約束・・・して・・ね・・・。」

そう、約束をしていた。今年も食べるはずだった。

「鈴?どうした?!」

「えっ?」

顔を触ると濡れていた。

やだ、アタシ泣いてる・・。

「いや・・・なんでも」

何泣いてんのアタシ、爽たビックリしてんじゃん。

「・・・・」

「どうしたんだろ・・・・アハッ・・何かおかしいねアタシ」

止まって・・・止まってよ!!

「・・・・いいよ。」

「えっ?」

突然、爽たが「いいよ」なんていうから何がいいのか分からなくて戸惑った。

「泣きたい時は、とりあえず泣いとけ(笑)」

「何・・・それ・・。変なの、アハッ・・・アハハハッ」

「たしかに、変だな(笑)」

爽太くしゃっと笑った。

「でも・・・ありがとう」

「おう!」
< 12 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop