ボクと天使と青春中
「えっ?ちょっと、爽太!」

外にでると太陽が眩しいぐらいに光ってる。

休みの日ってやたらと日光が眩しくないか?

『他の男に取られちゃうぞ』 『いいのかよ。爽太』 夏と一斗の言葉が頭をよぎった。

良い訳ねえだろ!

俺は、先輩の話しを聞いてから鈴と少し距離を置くことにした。日に、日に怖くなってきた。もし、鈴に好きな奴がいたらとか彼氏ができたらとかそんな事ばかりが頭の中でグルグルしていた。心から幸せを願ってあげられないなら好きでいるのを辞めようと思った
そして、鈴に彼氏ができたら笑って「おめでとう。良かったね」って笑って言ってあげようと思った。臆病者の今の僕にはこれしかできなかった。

「ホント、バカだな俺」

こんな時カッコイイ大人の男はどうするんだろう僕にはさっぱり分からなかった。

「あっ!爽太、遅いよ!!」

「わりい」

もう、鈴の番か・・・。

それから、僕はずっと鈴の姿を見ていた。鈴が矢を射るたびに決意の糸が解かれていくような気がした。

これでいい・・・これでいいんだ!!

そう、心に言い聞かせた。

「鈴、おめでとう!」

「いっや~、やっぱり鈴に敵う奴なんていねえな☆」

鈴はダントツトップで優勝した。

「おおげさだよ~」

「何言ってんの!優勝だよ!?すごいよ~」

みんな、はしゃいでる。

「爽太もなんか言えよ」

「おめでと。わりい俺、用事あるからもう帰るは」

俺は、一言だけ言って鈴の事を一度もみずに歩いていった。

「ちょっ・・・おい!爽太!!」

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