[短編]桜が散るかの如く
「行って参ります」


私は操縦席で笑顔で敬礼しました。

あぁ、これで最後か。

やはり辛いですね。

こんな中、

仲間たちは飛び立ったのか…

今私も皆のもとへ行きます。

私はフワリと空に舞った。


「文子ーー、愛してまーす」


私は風に声をかき消されまいと

声を張り上げました。


それから少したった頃、
私の戦闘機の調子が悪いことに
気がつきました。

不時着出来る島が見えたとき

お前は戻れ、と合図されました。


「そんな……」


せっかく心を決めたのに。
ここで不時着か…
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