[短編]桜が散るかの如く
「おかしい…」


下に取り付けられた爆弾が

何故か外れない…どうして。


「そうか、生きて帰ってはいけないのか…」


なんと酷なことを。

酷いもんだな…


「意地でも着陸成功させてみせる。」


私はそこそこ腕には自信がありました。
それに賭けよう。


「…勇作、見守っていてくれ」


私は力一杯レバーを引き、
前に下がった機体を必死に上げました。


「くっ……」


私は目を瞑りました。


―……


「はぁはぁ…」


……生きて、る。
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