[短編]桜が散るかの如く
「英男(ヒデオ)くんっ」

「文子(アヤコ)ちゃん…」

「また泣かされたの?」


坂口英男、私です。
小学1年の頃、
私は意気地なしでいつも泣いていました。


「英男くん、もっと言い返しなさいよ」

「無理だよ…」


私より2つ年上の文子…
気の強い貴女はいつも私にそう言いましたね。


「男なら相手の懐にでも突っ込んで殴り倒しちゃいなさいよ」

「そ、そんなのっ」

「無理じゃない!やってみなきゃわからないじゃない。」

「そうだけど…」
< 2 / 28 >

この作品をシェア

pagetop