[短編]桜が散るかの如く
「弱虫だったじゃない…ねぇ」

「はい」

「私がいつも背中を押してたじゃない…」

「…敵の懐に飛び込め、そう言ってくれたのも貴女だ」

「そんなこと…」

「私はようやく自分で行けるようになりましたよ。」

「……行かないで」

「アメリカです。私が相手にしているのは。凄いでしょう」


貴女はただ首を横に振るだけでした。


「やだ…」

「もう怖くないです」

「嘘よ。だって英男くんは弱虫だもん」

「そうですね…」
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