[短編]桜が散るかの如く
「あ……あぁ…」


貴女の呻く声が聞こえました。

私はそれから振り返らず
真っ直ぐ戦闘機に向かって走りました。


「行って参ります。」


私はエンジンをかけて空へ舞いました。


「生きたかったああぁ!!!」


私は文子に届くように
声が枯れるくらい叫びました。


「母さーん、父さーん!私は生きたい!
文子ー!私は今もずっと…

弱虫だあぁ!!」


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