[短編]桜が散るかの如く
▼ 別
今日も生き残れました。
私はなかなか会えない貴女に、心の奥で呟きました。
「…なあ、英男。俺正直怖い」
不意に私に声をかけてきたこの男は
阿部勇作、私と同じ時期に入隊し同い年の、共に励ましあった仲間です。
「怖い、か」
「英男は怖くないのか?
敵陣に命を懸けて突っ込むなんてこと…」
「…怖いさ。毎日願ってる。明日自分が特攻隊に選ばれないように」
「……俺たち、死ぬのかな」
「…今日いった奴ら、全員未帰還だとさ」
「はは…そうか。」
「死にたくないか?」
「…いや。国の為だ。」
さっきまでの彼と違う空気。
私はなかなか会えない貴女に、心の奥で呟きました。
「…なあ、英男。俺正直怖い」
不意に私に声をかけてきたこの男は
阿部勇作、私と同じ時期に入隊し同い年の、共に励ましあった仲間です。
「怖い、か」
「英男は怖くないのか?
敵陣に命を懸けて突っ込むなんてこと…」
「…怖いさ。毎日願ってる。明日自分が特攻隊に選ばれないように」
「……俺たち、死ぬのかな」
「…今日いった奴ら、全員未帰還だとさ」
「はは…そうか。」
「死にたくないか?」
「…いや。国の為だ。」
さっきまでの彼と違う空気。