[短編]桜が散るかの如く
コツコツと聞こえる教官たちの足音。


「私もだよ…国の為だ。天皇陛下の為だ。」

「そうか。」


死にたくないなんて言葉は言えません。
お国の為?
本当は生きたかった…
ですが口には出せませんね。
非国民になってしまいますから。


「………辛いな」

「そう、だな。」


私たちは毎晩願います。
生きて帰りたい、と。

その翌日でした。

彼、阿部勇作に突撃命令が下ったのは。
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