[短編]桜が散るかの如く
「…勇作」

「ん?あぁ、英男か。」

「…お前、今日」

「あぁ、そうだな。」


そういって爽やかに彼は笑いました。


「とうとう来ちまったなあ」

「……」

「なーに暗い顔してんだ。明るく見送ってくれよ?」

「そうだな、…すまない」


私の肩をポンポンと叩いてまた彼は笑いました。
その目にはうっすらと涙が見えました。


「じゃあ、行くわ…お前も後で来るんじゃねーぞ?」

「……勇作」

「行ってきます」
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