ノストラダムスは女子高生







「 … リルカは料理も上手いし
いい嫁さんになるな 」




「 え… 料理って…? 」




「 あ、いや

イチルに聞いた事があるんだよ 」



イチルが少し横を向いて
咳にごまかした笑いを
拳の向こうで ひとつした







「 ありがとうな リルカ 」





「 えへ… 」





真っ赤な顔を、イチルの背に隠すリルカ

イチルも
そんなリルカを見て微笑んでいる




…擦り抜けたりしないか心配だったが
マフラーを、そっと手に取った





「 …平気ですよ 阿部センセ 」



「 うん 」





そうだな…

今はリルカが傍にいる





… そうだ




「 … なあ リルカ 」




「 はっ …ハイッ!! 」





「 ―― 巻いて貰えるか? これ 」







「 …… う、 うんっ!!! 」







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