ノストラダムスは女子高生






「 …いつだっけ…
雨降ってたから、六月とか

スリップして自爆
電柱にぶつかって、ケガもなかったけど
それからは乗ってないよ 」



「 …何か、急いでたの? 」





伺う様に、下から覗き込むリルカ


商店街のあかりが見えて来て
道の雪は、帰宅の足に踏まれ
いつも通りの灰色に戻っている




「 んじゃ ここで
おまえんち、あそこにある、
デカい高層マンションだろ? 」




八百屋や肉屋が並ぶアーケードの道

両脇の店からは、閉店前の
タイムサービスを叫ぶ声




「 …… うん



送ってくれて…ありがとう
…ございました 」



リルカは肩に提げたカバンの持ち手を握り
ぺこりとお辞儀し、脇道に走った






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