ノストラダムスは女子高生
昇降口へと走り、校庭
一時間目が体育な、
ジャージの群れを見る
… どういう事だ?
寒そうに袖を伸ばして
友達同士、騒ぎながら固まる顔触れを
――― 誰ひとりとして、
俺は、見た事が無い
黙って凝視していると
こんな時にも、携帯を離さない一群が
一斉に、俺の方を振り向いた
「 あ〜! 阿部せんせ〜!
畑の奴にいってよ〜!
マラソンて有り得ないって〜 」
「 どこ行くの阿部っち〜
コンビニだったら私にも
なんか買って来て〜!!
金、後で渡すから〜 」
ジダンダを踏み、
『さみいさみい』と叫びながら
白い息を吐く少女たち
…… どこだここは
ここの生徒は、先生に向かって
ふざける事はあっても、
こんな口はきかない
「 …これが普通でしょ? 阿部センセ 」
上から声