ノストラダムスは女子高生
「 ―― 藤本!! 」
見上げた俺の視界を遮る
黒い影と羽音
二、三度
はためきを散らして辿り着いたのは
校門の外に生えている、木の上
はあい と言った感じで
明るく笑いながら手を振り
フサリと閉じた、黒い翼の
一番先、風切り羽が
空気の流れと一緒に、揺れている
慌てて自分も
校門の外に飛び出した時
「 ――― イテっ ?! 」
… 感電したような痛みが、全身に走った
「 … なっ なんだこれ!! 」
ピンと張った、ラップみたいなモノを
無理矢理突き抜けて来たみたいな
イヤな感触が、体中に残る
「 結界でしょう
ボクみたいな、
"ヘンなモノ"を見ないように
貴婦人の動きが活発になると呼応して、
子供たちの気持ちも敏感になりますから 」
「 ―― 藤本、
入って来られないのか?!
いっ…今の電流ビリビリはなんだ?! 」
「 …かなり厳しいですね
強いですよ〜これは…
しかも見た所
急ぎ作ったらしき、
結界用建築物がある訳では無いし
札などが埋められている気配も…
普段は決して、表に出て来ない様な
希代の術師が動いたかな? 」
「 おまえそんな事より!!
席無くなってるぞ?!
どういう事か、抗議しに行こう!! 」