ノストラダムスは女子高生
「 … ど、どうするんだ 」
「 ちょっと待って下さいね 」
藤本は、
ひとしきり背中をゴソゴソやって
「 イテ 」と一瞬呟き、
それを一枚、俺に渡した
「 ―― 羽根? 」
「 はい
これに、キスして下さいますか? 」
「 ……… 」
こっ恥ずかしいが
何か意味があるんだろうと
言われるままに従う
すると、唇をつけた途端に
黒い羽が、ボオッと光り始めた
「 では、僕も 」
藤本は小声で
何やらやたら長い事ブツブツ言って
もう一枚、自分で持っていた羽根に
フウッと、息を吹き掛ける
―― 光った
「 …では阿部先生
それを、窓の外へ 」
「 わ、判った… 」
黒い羽根は窓の外で、
なぜか一瞬滞空し、激しく光る
「 ――― うおっ?! 」
窓の外に張り付く女子高生達も
これにはさすがに怯んだらしく
ゾロゾロと後ろへ下がって行った
「 … 凄いぞ藤本!!
これを繰り返せば、少しづつ隙を 」
「 ―― 見て!!! ユウジ!! 」