ノストラダムスは女子高生
「 ―――… なんでだ 」
スクランブル交差点の上を
蛇行しながら飛んでいく
蜂の群れに似た影が
操られた、怪しい動きにも関わらず
かなりの早足で進んで行く
その先には
「 ―― お、俺?! 」
… 俺と言っても、
だいぶ加工されているというか
普段着ない様なスーツに
妙にカッコつけた笑い
その横には
爽やかに、貴族オーラを出した藤本が
キレイで派手な
… 何とかっていうビジュアルバンドの
誰ぞに似た微笑を見せ
ゆっくり先導しながら歩いて行く
「 …IDD 」
リルカが窓に張り付きながら
意味不明な単語をつぶやく
「 上手く行きました!今のうちです!!
――― 急ぎますよ!! 」
車はフルバックし
大きな音と跡を、道路に付けて
高速に続く方向へと、一気に発進した