ノストラダムスは女子高生
空中に浮いたアキラが伸ばした手に
赤い光が溜まって弾になり
連射状態で、藤本へ一気に放たれた
ちょっとその顔は
"女道鎖"の頃を思い出させる
藤本は藤本で
何枚もの黒い翼を緩く
時間差で はためかせながら
ヘンな記号みたいな文字が
幾重にも回転する
丸い光の盾みたいな物を持ち
もう片方の腕から延びた剣で
拡散した光弾を
上手い具合に、弾き返している
光の盾
…あれはどうやって出来ているんだろう
それにいくらアキラが撃ち込んでも
光の粒を舞い散らせながら
微かな水紋の中に、沈んで行くだけだ
「 ―― 藤本
そろそろ怠くなって来ないか 」
「 すみません あまり絵にならなくて 」
「 いや キレイだし
こんな戦い見るの初で、面白いけど
強い同士が戦う時ほど
一瞬で勝負決まったりするしさ
…だからアキラも、もうやめろよ
かなり頑張っちゃってる時の顔
さっきからしてるぞ
どう見てもこの勝負
藤本のが優勢っぽいし
…おまえ ゲームとか負けそうになると
すぐ、泣くんだからさ 」
「 ―― う、うるさい!!!
そ…そうよリルカ
… あんたユウジが好きなんでしょう?
研究施設の中ではあるけど
二人一緒に
暮らさせてやろうじゃないの
生活区には、空も緑も
家やコンビニだってあるわ!!
学校も、
何ならアンタの友達も呼んであげる!
… 外に居たって、
ろくな事になりゃしないわ
私は文献で見ただけだけど
幸せになってる"貴婦人"なんて
数える程だもの
それにここに居れば!
アンタは周りに迷惑はかけないで済むし
―― 悪い話じゃないでしょう?! 」