ノストラダムスは女子高生






空中に浮いたアキラが伸ばした手に
赤い光が溜まって弾になり
連射状態で、藤本へ一気に放たれた


ちょっとその顔は
"女道鎖"の頃を思い出させる







藤本は藤本で
何枚もの黒い翼を緩く
時間差で はためかせながら

ヘンな記号みたいな文字が
幾重にも回転する
丸い光の盾みたいな物を持ち


もう片方の腕から延びた剣で
拡散した光弾を
上手い具合に、弾き返している






光の盾

…あれはどうやって出来ているんだろう


それにいくらアキラが撃ち込んでも

光の粒を舞い散らせながら
微かな水紋の中に、沈んで行くだけだ









「 ―― 藤本

そろそろ怠くなって来ないか 」




「 すみません あまり絵にならなくて 」



「 いや キレイだし
こんな戦い見るの初で、面白いけど

強い同士が戦う時ほど
一瞬で勝負決まったりするしさ



…だからアキラも、もうやめろよ

かなり頑張っちゃってる時の顔
さっきからしてるぞ



どう見てもこの勝負
藤本のが優勢っぽいし

…おまえ ゲームとか負けそうになると
すぐ、泣くんだからさ 」







「 ―― う、うるさい!!!



そ…そうよリルカ

… あんたユウジが好きなんでしょう?



研究施設の中ではあるけど

二人一緒に
暮らさせてやろうじゃないの


生活区には、空も緑も
家やコンビニだってあるわ!!


学校も、
何ならアンタの友達も呼んであげる!


… 外に居たって、
ろくな事になりゃしないわ


私は文献で見ただけだけど
幸せになってる"貴婦人"なんて
数える程だもの



それにここに居れば!
アンタは周りに迷惑はかけないで済むし



―― 悪い話じゃないでしょう?! 」






< 94 / 123 >

この作品をシェア

pagetop