君がくれたもの
あり得ない出会いっ!?
白咲 薺 (しらさき なずな)
現在中学一年生。
まだこの学校には入学したばかり。
今日は入学式を終えて初の中学校生活をおくる日なのですが…
「うわぁーやばぃやばぃっ!」
初日から遅刻の危険性が高まる私…
かなりピンチですっ!!
「お母さんっ!!なんで起こしてくれなかったのっ!?」
私ゎ台所で皆が使い終わった食器を洗っているお母さんに怒鳴ってみせた。
「何言ってるのょ。何回も起こしてたじゃない。それでもあなた起きなかったのょ」
お母さんの言ったことは確かに正しい…。
そんな母親の言葉に反論出来ないまま、私は朝食を食べずに家を飛び出していった。
遅刻になるまであと20分。
これならまだまにあうかもっ。
全速力で道路を駆け巡る。
そして、十字路にさしかかった時だった。
「あぶなっ!」
「きゃっ!」
突然の自転車との接触。
私はその衝撃で地面にしりもちをついた。
「いったぁ~っ…」
そう思わず声に出してしまうと、
「ごめん。大丈夫??」
自転車をこいでいた人が親切に声をかけてくれた。
「あ、いえ、全然平気です」
ゆっくりと視線をその人に向けてみると…
そこには、私の通ってる学校と同じ制服をきた男の子が立っていた。
驚いたのはそこだけではない。
その人は…
「あ…藍川登夜先輩…っ!?」
学校の中でいっちばん有名な藍川登夜(あいかわとうや)先輩が立っていたことっ!!
慌ててその場から立とうとしたけど…
「いたっ…」
足に力が入らない。
どうもさっきの衝撃で足をやってしまったみたいなの。
どうしよう…。登夜先輩の前なのに…。みっともないよ~っ!!
そんなとき、
「んっ」
いきなり登夜先輩は私に背中を向けてしゃがみこんだ。
「え…??」
意味がよく理解できずに、そう言葉を発すると、
「足、挫いたか捻ったかしたでしょ??病院までおぶってってあげる」
私に笑顔を向けて無理矢理にでも私を背中におぶった。
こんなあり方もありなんだね…
なんか…漫画みたい…。
ドキドキする…。