太陽のかおり
手のひら
-手のひら-
「柊…帰る?」
創平くん…。
「あ…あの!」
私が椅子から勢いよく立ち上がると、創平くんは不思議そうな顔をした。
「どうしたの?」
「あ…あの…ご…ごめんね」
「え?」
「体育の前。酷い言い方しちゃって」
「ああ、いや、気にしないで」
「本当にごめん。そのせいで体育やる気なくなっちゃったんでしょ?」
「ふっ。柊は馬鹿だなあ。ただかったるかっただけ。柊のせいじゃない」
「本当?」
「ああ、本当。だから、本当に気にしないで」
「ありがとう、創平くん。優しいんだね」
「お世辞はいらねえよ。ほら、帰るぞ」
「うん!」
私は創平くんの横に立って歩き出した。