太陽のかおり
創平くんが嫌がっていた体育の時間になった。
「おい、大橋!一緒に行こうぜ?」
男の子にも女の子にも人気な、創平くん。
近づけないよ…。
「悪ぃ、池田。他の奴と行っててくれ」
「え、どうかしたのか?」
「体育、かったるくてさ」
「ああ、わかった。さぼんなよ、大橋!」
「はいはい」
そんなに体育嫌なんだ。
「ねえ、花音急ごうよ!」
「あ、そうだね!」
私と桜は体育館に向かって走り出した。
「あ…あのさ」
「え…」
なんで創平くんが?
「南雲とはなんにもないから」
「え?」
「俺の変な勘違いかもしれないけど。南雲と俺が話してるとき、すごく辛そうな顔してると思って。もしかしたら南雲となんかあったのかと思って。だから、俺と南雲は関係ないから。今まで通り南雲に接してくれていいから」
私は首を横にふった。
「え?何が違うの?」
「私…創平くんと世玲奈ちゃんが話すことにどうも思ってないよ」
そう言って私は創平くんの横をはしりさった。