恋チョコ
――帰り道――

「ごっめん!愛夢!私今日部活なんだよね。悪いけど一人で帰ってくれない?それか他の友達とかと一緒に。ごめんね!」

「ううん。部活ならしょうがないよ。綾乃、土曜日図書館で勉強するでしょ?どうする?何時に行く?」

「うあ~その日実は無理なんだよね、親の事情で北海道に行くことになって・・・。
あ、でも2月のバレンタインのチョコは一緒に作ろっ。」

バレンタイン?そっか、もう今年の春で高校3年生なんだ。
早いな・・・。

「うん、わかった。でも手伝いしか出来ないけど・・・。」

「え、愛夢は好きな人とかあげないの?」

「好きな人いないからー・・・。」

「へぇ~。」

「何その顔~、本当にいないって~。」

「そっか。」

「うん。」

「じゃ、行って来るね。」

「うん、また月曜日にね。」

わすれられない過去がある私に恋をする資格なんて無い。







センパイ。



「川野!」

誰だろう。男の子の透き通った優しい声―・・・。




「あ、休み時間の・・・。内田くん。」
ずいぶん息を切らしている。



走って追いかけて来てくれたのだろうか―・・・?

「どうかした?」


「あ、いや、何でも・・・。」

「えっと内田くんって女子とあんまり話さないよね。
何で私に話しかけてくれるの?」

バカ、私何言ってるんだろ。



「あー・・・それはな・・・。
川野が・・・・。」


「うん。」


でも私が聞くとすぐにちがう話に変えられてしまった。

「それより・・・・土曜日あいてる?」

「土曜日?うん、あいてる。」

「図書館で勉強したいんだけど一人じゃ分からない所が
あったりするから一緒に来てほしいんだけど良い?」



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