桜の下で

急な転機

 私はいつもどおりに学校に来て、
 いつもどおりに授業を受け、
 いつもどおりに友達と喋り、
 いつもどおり光輝と帰るつもりでいた。

 『ねえ、絢乃?瑠璃から聞いたんだけど…。』
 才加が私に小さい声で話しかける
 『何ー?才加!あ!!バンドの事でしょ?』
 才加と瑠璃は私の友達。
 中2からバンドをしようって約束しているの
 『違う。あのね…ちょっと来て?』
 なんだろう…。
 『分かったよ・・・。』
 才加が呼んできたところは普段人が来ない
 第2理科室の準備室であった。
 『あ・・絢乃?真剣な話だから聞いてね?』
 才加の顔が本気だったから私も本気で聞く・・・。
 『絢乃の彼氏の光輝の事を・・・好きな2年生がいるんだよね・・・。』
 光輝の事を?
 『それで?好きなのは、人の勝ってじゃん?』
 『その2年生が光輝に絢乃の事をやりマンだって言っているみたいなの・・・』
 ・・・嘘でしょ?
 まさか。
 『なんか金のためにって。自分の家によんでやってるって。絢乃はそんなコトしてないでしょう?』
 『もちろんだよ。するわけない!』
 そうだよ。
 しないよ。
 したとしてもするあいていないし。
 『なら、良かった。でも、光輝に誤解解かなきゃね。』
 私と才加は教室へと戻った。
 数学の授業中全くといっていいほど
 集中できなかった。
 『川崎さん?答えてください。』
 『・・・あ。はい。答えは○○です。』
 光輝の事で頭いっぱい。
 光輝は信じているのだろうか。
 桜の下で約束したから大丈夫・・・だよね。
 キーンコーンカーンコーン
 『才加?あとで光輝のトコロについてきて。』
 私は才加の耳元でささやくように言った。
 『了解。』
 才加は人の気持ちが分かるような人なので一緒にいて楽。
 心から信頼できる。
 『才加。光輝に手紙渡してくれる?』
 私は、才加に小さい手紙を差し出した。
 『分かったよ。』
 才加は手紙を引き取ってくれた。
 『本当?ありがとうー!光輝と顔合わせれないなって思ってて。』
 才加は、すごく優しい。
 『行ってくるね~!』
 『おねがいしまーす!』
 才加ってなんかおねえちゃんみたい。
 
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