I think of you.
慌てて由佳のほうを向くと、由佳が頬をふくらませてすねていた。
「由佳?」
「トイレ、行こうっていってんじゃん」
「はぁ?」
「いいから行くよ。すみません、ちょっとお手洗いにいってきます」
「いいけど、早く帰ってきてね。そこらへんの女の相手なんてごめんだから」
「はぁーい♪」
始終ニコニコしていた由佳はトイレについた瞬間、真顔に戻った。
かと思えば、今度は顔をほころばせてあたしに抱きついた。
「好きっ」
「……」
「になっちゃったの。彼のこと!!」
彼ってだれだ?
そう思い、久々に頭をフル回転させると、由佳が積極的に話しかけていたあの男のことだとわかった。