I think of you.
「なに?」
「協力してよっ!!2人っきりになりたいの」
「要するに、あたしがもう1人のイケメン連れ出して帰れっていいたいの?」
「うん。…だめ?」
再びあたしに抱きついて上目遣いで懇願してくる由佳。
「それ、神宮迩さんにしてあげなよ」
「え?」
「いや、なんでもない。いいよ。協力する」
「ありがと、奈央っ!」
とは言ったものの、内心緊張していた。
あんな親の反対を押し切ってまでわが道を行きそうな男をどうやって連れ出したらいいんだろう…
「お待たせしましたぁ♪」
神宮迩さんにとびきりのスマイルを見せて“由佳ちゃん可愛い”と頭を撫でられている由佳に、あたしは焦った顔をつくって話しかけた。
「由佳、ごめんっ!あたし、今日買い物頼まれてたの。だから帰るね」
「え、帰るの?ついていこうか?」
本当に驚いているように見える由佳の演技力に感心しながら、あたしは言葉を続けた。