I think of you.
「で、どこいくの?」
出てすぐに聞いてきた彼。
「どこに行きたいですか?」
「はぁ?お前が買う物あるって連れ出したんだろ?」
「あぁ、あれ嘘です。由佳に協力してほしいって頼まれたから。あなたを連れ出す口実です」
「マジ?なんだ嘘かよ…」
なにを思ったのか、イケメンくんは片手で顔を覆ってしゃがみこんだ。
「大丈夫ですか?いやだったら帰ってもらっていいですよ?」
「や、連れ出されていくとこねぇし。お前に付き合う」
「ありがとうございます。えっと、名前…」
おそるおそる聞くと、“ビビりすぎ”といいながらも
「谷村千晴(タニムラチハル)。呼び捨てでいいから。冴沢高2年」
と自己紹介してくれた。