とある女の子の物語
レイはいつも日が沈む頃になると、帰ってしまう。
「もう時間だ。マリア、また明日ね。」
「ええ、またね。」
最近、レイに会うとドキドキする。
でもなにかはわからなかった。
「お嬢様、中にはいらないのですか?」
マリアの乳母がやって来た。
この乳母は、母親がなくなって以来、マリアを育ててくれた人で、マリアのよき理解者であり、マリアにとっては母と同じような存在なのだ。
「ねぇばあや、聞きたいことがあるの。」
「なんでしょう。」
「私ある人にあうと、胸がドキドキするの。いままでにこんな感情感じたこともなかったし、聞いたこともなかった。病気だったりするの?」
そのマリアの話を聞いて乳母は笑いだした。