とある女の子の物語
「なに笑ってるの、ばあや。」
「お嬢様、お若いですね。」
マリアには乳母のいっている意味がわからくて、首をひねってみた。
「どういうこと?」
「それは恋ですよマリアさま。あんな小さかったマリアさまがこんなに成長なさるとは…、ばあやはとてもうれしいです。」
「恋なの?」
「そうですね。その方は、最近毎日会いにいらっしゃる方ですか?」
マリアは、はずかしくなって、俯きながらコクンと頷いた。
「そうですか。大丈夫です。恋とは苦しくて大変なんです。でも頑張ってくださいね。」
「わかった。ばあや。私頑張るね。」