monochrome

中学二年






授業もかったるく感じる中学二年の秋。


俺は数学と国語と地理は出ないと決めていた。


出ないということは教室にいないっていうわけで、ブラブラとくつろげる場所を探す毎日だった。



屋上、体育倉庫、裏庭、非常階段。


すでにどの場所も飽きた。


いっそ帰ろうかと考えたとき、理科室の備品倉庫を思い出した。


あそこなら煙草を吸っても薬の匂いに紛れるだろうと、当時の馬鹿な俺は勝手に納得していた。



しかし備品倉庫へ行くにはまず理科室に入らなければならない。

俺は鍵が開いていることを祈った。
< 2 / 13 >

この作品をシェア

pagetop