好きってどういうことなのかな

「で、誰なのよ、それは!」
「豊くん…」
名前を言うと麻理ちゃんはきらきらと目を光らせた。

「豊!?豊悠希!?」
「うん…」
私が頷くと、麻理ちゃんは腕を組み唸る。
「確かに、うちの学年じゃ断トツね。
 静かだから目立たないけど」
そう。うちの学年はカッコイイ人が多い…らしい。
私はよくわからないけど、確かに部活のエースとかそういうよく目立っている人はみんなカッコイイし、モテてる。

「話したことあるの?」
「ううん…ほぼ一目惚れだと思う」
「同じクラスになって大分経ってるわよ…」
「まあ、そうだけど」
それは仕方ない。今までよく見る機会なんてなかったもの。

「そうねえ…どうやってアタックしたらいいのかしら」
「アタック?」
「好きになってもらうために、よ!」
あぁ。
…麻理ちゃんは私が豊くんのことが好きみたいになってるけど、本当にそうなんだろうか。
憧れみたいなものなんだと思うけど…

そう言ったら、憧れも恋愛も変わらない、って言われた。
そうなのかなぁ。
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