人気者彼氏と声優彼女
「ごめんな…。」
「うん。私こそ。達也とはこれからも友達でいたい。」
「俺も。」
「だから、今日のことは…忘れて。」
俺は頷いた。
「じゃあね。」
「おー明日な。」
別れてから少しあるいてる後ろのほうから泣き声が聞こえた。
振り向くと絵梨亜が体を震わせて泣いていた。
ごめん。ありがとう。
俺は前を向いて歩きだした。
向かう場所は一つ。
紗耶香の元。
ちゃんと話を聞こう…。
例え振られても…もう一度俺を好きにさせてやる。
よし。
俺は、紗耶香の家の前で
電話をかけた。
「はいっ」
少し緊張した声がする。
「まだ…俺のこと好き?」
「うん」
「そっか…。」
「うん…」
「話しねぇ…?」
「聞いてくれるの?」
俺は紗耶香の部屋を眺めながら、返事をした。
「私ね…」
「うん」
「声優してるの。」
…………はぃ?
今なんて?
「声優!?」
「うんっ黙っててごめん。」
もしかして男って…。