この声が君に届くとき



「さ、入学式始まるよ。行こう。」

美桜はそう言うと、僕の手を引いて歩き出した。

さっきまであれほど緊張していたはずなのに、今ではその緊張がどこかへ飛んでしまったかのように清々しい。

きっとこれは、美桜のおかげなのだろう。

美桜はそうやって、いつも僕を包み込み、辛さや悲しみを吸収してくれる。



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