彼女には言えない｡

そう言うと竜希くんは真っ直ぐ僕を見た｡



｢ったりめーだろ｡他の奴が薫の代わりは無理だ｡俺にはアイツだけ｣



そう言うと､竜希くんはちょっと顔を赤らめる｡




｢そっか､良かった｣


｢アイツには言うなよ｣


｢……わかった｣



竜希くん､ごめん｡
その約束は出来ないや｡






その日の夜｡
携帯の電話帳に初めて女の子の名前が入る｡


そして､初めて女の子にメールを送った｡



｢こんばんは｡秋人です｡竜希くん､内田さんのこと好きだって｡良かったね｡｣




すると､内田さんから着信がくる｡


なんで僕の電話番号知ってるんだろう…


僕は教えてないのに…


女の子の情報網って恐いな｡


そして､僕は初めて女の子と電話する｡



なんでかな？
心臓はバクバクしてる｡