彼女には言えない。
携帯からは高い声が聞こえた。
「もしもし秋人くん?竜希に聞いてくれたんだね!」
「うん…好きって言ってたよ」
なんか、めちゃめちゃ緊張してる。
女の子と電話すんの初めてだからかな…
あ、ヤベッ…手汗で携帯落としそうになった。
「本当にそう言ってたの?竜希のことかばってたりしない?」
「か、かばってないよ。竜希くん、言った後顔赤くしてたし、あっ!本当は内田さんには言うなって言われたんだけど…」
そう言うと内田さんの声が大きくなる。
「竜希が顔赤くするなんて、想像出来ないけど…そっかー。秋人くんにはそんな顔するんだね、素直じゃないんだよ、本当。あたしにはそんなこと絶対言わないもん」
電話の向こうからフフフッと嬉しそうに笑う声がした。
「聞いてくれてありがとね。またなんかあったらよろしく!電話いつでもしていいからねっ」
「う、うん。わかった」