彼女には言えない。





携帯からは高い声が聞こえた。



「もしもし秋人くん?竜希に聞いてくれたんだね!」


「うん…好きって言ってたよ」



なんか、めちゃめちゃ緊張してる。


女の子と電話すんの初めてだからかな…

あ、ヤベッ…手汗で携帯落としそうになった。





「本当にそう言ってたの?竜希のことかばってたりしない?」


「か、かばってないよ。竜希くん、言った後顔赤くしてたし、あっ!本当は内田さんには言うなって言われたんだけど…」




そう言うと内田さんの声が大きくなる。



「竜希が顔赤くするなんて、想像出来ないけど…そっかー。秋人くんにはそんな顔するんだね、素直じゃないんだよ、本当。あたしにはそんなこと絶対言わないもん」




電話の向こうからフフフッと嬉しそうに笑う声がした。



「聞いてくれてありがとね。またなんかあったらよろしく!電話いつでもしていいからねっ」



「う、うん。わかった」








< 11 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop