彼女には言えない。
もし、俺が「好き」って言ったらアイツはどんな顔すんのかな?
その先も気まずくなんのかな?
そしたら、もう電話もメールも出来ねぇんだろうな…
俺はかけていたメガネを外し眺める。
「もし、俺が…」
もし、俺がメガネの冴えない男じゃなかったら、
なにか変わってたかな。
そう思うと今すぐ
メガネを壊したくなる。
けど、
「きっと変わんねぇんだろうな」
薫の目には俺なんて
写ってねぇんだから
この恋を伝えたい――。
でも、どんなに神に
願っても、
どんなに泣いて
祈っても、
きっと薫は俺を、
"友達"としてしか見てくれないんだろう。